Lavocボーカル教室の船出 ~MIKI先生との初ライブ~★
2003年9月、
Lavocボーカル教室は
下北沢で産声をあげました。
同年12月にあるライブに参加することになり、
創業を支えてくれたMIKI先生に
『ライブの企画があるんだけど、どう思う?』
と聞いてみたのです。
すると、彼女は
『やりましょう!やりましょう!
私もライブ大好きですから♪』と、
前向きに考えてくれました。
そして、
レッスンや日常業務だけでも大変なのに、
『やるからには優勝狙いましょう!』
とまで言ってくれたのです。
この時はまだボーカル教室として
やっていけるのかさえ
分からない状態だったのですが、
彼女の一言でライブだけでなく、
教室としても
『MIKI先生とならやって行ける!』
と思った瞬間でもありました。
それからMIKI先生は
生徒さん一人ひとりに『ライブ出ようよ!』
と声をかけてくれました。
但し、
生徒さんは歌どころか
音楽関係のレッスンを受講したこともない
入校したての方ばかりだったので、
ライブへの参加には尻込みしていました。
それでも『出てみます!』
と7名の方が、
手を挙げて下さったのです。
各校に与えられた時間は20分。
曲数で言うと最大3曲歌える時間だったので、
MIKI先生とどういった選曲するのが良いか
話し合いました。
そして、
どうせなら3曲に1つのテーマを持たせて
選曲しようということになり、
私の大好きな『沖縄』にまつわる曲を
3つ選ぶことにしました。
選んだのは
『涙そうそう』、『花』、『さとうきび畑』
の3曲。
この3曲の譜面コピーを
生徒さんとスタッフに配布して
練習を開始しました。
しかし、
生徒さんはみな
会社勤めをされている方だった上に、
初めて会う人同士で、
お互いのスケジュールを合わせるのも
ひと苦労。
意外だったのは、
初対面の時からみな和やかな雰囲気になり、
ステージで歌うのも
初体験の方ばかりだったのですが、
緊張よりも楽しみの方が大きいのか、
練習を重ねるごとに
チームワークさえ芽生えていったのです。
スケジュール調整も
お互いがなるべく協力し合うようなり、
本番が近付くにつれて
『絶対優勝しよう!』と
生徒さん自ら口にするようになっていました。
初ライブ 本番当日
そして本番当日。
ライブ会場は
1200名収容出来る世田谷区民会館でした。
観客席はガラガラでしたが、
ステージに上がって
スポットライトを浴びれば
観客席など見えません。
リハーサルで
ステージに上がってみた生徒さんは、
そこで初めて
『自分はえらい所に来てしまった!』
と思ったようです。
リハーサルが終わると
『どうしよ、どうしよ』と
みな不安を口にするようになりました。
その時、
『大丈夫! 練習通りやれば、絶対大丈夫だから!』
と生徒さんたちを勇気づけてくれたのは
MIKI先生でした。
そして、
生徒さんたちを区民会館の外に連れ出し、
発声練習やパートの確認などを始めたのです。
生徒さんたちも
練習をするうちに
落ち着きを取り戻していきました。
その本番前の
熱の入った練習を見ながら、
私は高校の文化祭で、
自分が初めてステージに立った
緊張感を思い出していました。
いよいよ本番。
伴奏は
私のギターと松下さん(生徒さん)の三線。
私もステージにあがるのは
久しぶりだったので、
緊張で指が思うように動きませんでした。
合わせた回数も少なく
ぎこちない伴奏に、
ガチガチの生徒さんコーラス隊。
しかし、
スポットライトの眩いばかりの光の中で、
一生懸命歌う生徒さんの横顔は
キラキラ輝いて見えました。
わずか20分のステージは
本当に本当にアッと言う間に終り、
楽屋に戻ってくると
『超キンチョーしたぁ!』、
『あ~、間違えちゃった!』、
『ライトすっごい眩しかったぁ!』
と感想も様々でした。
終わったばかりで
興奮冷めやらぬまま、
達成感と緊張から解放された安堵感が
入り混じり、
みなお互いの健闘を讃えあっていました。
そんな中、
いつも明るくムードメーカーの
生徒の田嶋さんがひとり
さめざめ泣いていたのです。
『どうしたの?』と声をかけると、
少し笑い混じりに
『感動しました。こんな経験初めてです。』
と答えたのです。
この時、私は衝撃を受けました。
そして、
色々な思いが湧き上がってきました。
『歌を習って間もない人も、
ステージに上がると感動するんだ』、
『自分が好きだったライブってみんな好きなんだ』、
『まだライブを経験したことの無い人に、
この感動を伝えたい』といったことが頭をめぐり、
辿りついた思いが『ライブやらなきゃ!』でした。
私の初ライブは高校2年。
これがライブにハマるきっかけとなりました♪
初の教室単独ライブ敢行
初ライブの後、
『今度はうちの教室だけのライブをやってみない?』
とMIKI先生に提案してみました。
この時、
MIKI先生も幸い同じ思いを
抱いてくれていました。
『ライブやらなきゃ!
せっかく歌を習いに来てくれている生徒さんたちに、
感動してもらえる場<ステージ>を自分たちが創らなきゃ!』
という共通の思いで、
単独の教室としては初のライブを、
初ライブ翌月の2004年1月に企画し、
同年4月4日に開催することになりました。
2004年1月時点での
当校の生徒さんの在籍数は75名。
再びMIKI先生と私で
生徒さん1人1人に声をかけ、
『ライブに参加します』と言って下さったのは
なんと51名にのぼりました。
まだ入校されたばかりの生徒さんも
いらっしゃったので、
75名中51名というのは
ほぼ全員参加すると言って下さった
感覚でした。
初ライブでは
参加希望者が7名だったのが
いきなり51名に増えた理由は、
いまだに分かりません。
ただ、
初ライブの経験が私たちの自信にもなり、
ライブの感動を味わってもらうのが
使命とさえ感じるようになっていたことは
事実です。
だから、
もし違いがあったとするならば、
ライブへの参加を呼び掛ける
私たちの『情熱』、
ただそれだけでした。
1人でも多くステージに上がって、
スポットライトを浴びながら歌う
感動を味わってもらいたい、
その一心だったと思います。
そして、
4月4日当日、
第1回Lavocボーカル教室単独ライブ本番を
下北沢にあるライブハウス『Cabe B』にて
迎えました。
50名を超す参加者がいたので、
生徒さんだけでもライブハウスは満員。
開始時間には
生徒さんのお友達やご家族がつめかけ、
オープンから立ち見が出るほどでした。
司会進行は私やMIKI先生が務め、
カメラ・ビデオ・誘導係などは
みな生徒さんに手伝ってもらい、
教室の一体感たっぷりのライブは
始まる前から盛り上がっていました。
1人2曲でエントリーをしていた生徒さんは、
手が空いたら係も順番に代わって下さり、
ライブが進行するにつれて
ますます一体感が強まっていきました。
ライブには老若男女入り混じり、
演歌でエントリーするシニアの方もいれば、
バンドを引き連れて
ロックを歌う若い人もいたり、
衣装に凝る人もいれば、
歌だけでなくダンスも披露する人もいたりと、
世代を越えた夢のような時間を過ごしました。
8時間にも及ぶライブも
アッと言う間に終り、
興奮冷めやらぬまま打ち上げへと
会場を移しました。
第一回 Lavocボーカル教室<本気>ライブの模様
そして、
その打ち上げはそれからの、
そしてこれからの私の人生を変えた
イベントとなったのです。
打ち上げは
収拾がつかないほど盛り上がり、
みな口ぐちに言って頂いたのは、
『人生変わった!』だったのです。
それまでカラオケでしか
歌ったことがなかったり、
歌を習ったことのない方々に、
歌の本当の楽しさをライブで知ってもらい、
『これからずっとやり続けたい
一生の趣味に出会えた!』と、
言って頂いたのです。
これほど主催者冥利に尽きる言葉は
ありませんでした。
『感動しました!』
と参加して頂いた多く生徒さんから
言って頂いた私もMIKI先生も
逆に感動を頂き、
『やって良かった!ありがとう、またやろう!』と、
私とMIKI先生は決意を新たにしました。
生徒さんと一体になって創った
手作り感たっぷりのライブ。
『感動のライブを提供することこそ
自分たちLavocボーカル教室の使命』と、
この時以来ずっと変わらず
取り組んできました。
『人生変わった!』と
感動の言葉を生徒さんから頂けるように、
今までもこれからも
Lavocボーカル教室はライブに取り組み、
ステージの上で
スポットライトを浴びながら歌う
本当の楽しさを、
1人でも多くの方に知って頂けるよう
努めて行きたいと思います。