8.242021
ついに「椎名林檎」さんについて
記事を書く時が来ました…
私の青春時代を構築したと言っても過言ではないです。
椎名林檎さんといえば、
独創的な世界観・音楽性や
バンド(東京事変)・コラボなど幅広い活動、楽曲提供など…
多岐に渡る活躍が見られますよね。
彼女の【凄さ】を全部語ると止まらなくなりそうなので(笑)
今回は、椎名林檎さんの【発声】の凄さを分析していきます!
椎名林檎の声が凄い!
曲の世界観に合わせた声色を使い分けていますよね。
可愛らしい声、艶やかな声、荒々しい声まで
まさに七変化です。
アルバム一枚聴くだけで、一つのミュージカルを観たくらいの
声の表現力にいつも圧倒されます。
この素晴らしい表現力の要となる発声の要素
すなわち、彼女の発声の凄さとも言えるのは、
①声帯の器用さ
②息の使い方
③音域の広さ
です。
この3つが椎名林檎さんの歌声の振り幅の広さを作り出しています。 椎名林檎はなぜ凄い?
ここからは、椎名林檎の3つの凄さを少し専門的に見ていこうと思います!
①声帯の器用さ
声のもとは声帯の振動によって生まれます。
また、声質は生まれ持った声帯の形・長さ・厚さなどから決まります。
しかし、この声帯を器用に扱うことによって、
生まれ持った声質を操ることができるのです!
では、どのように声帯が動くことによって声色が変わるのか…
気になるところですよね。
主な声質を変える決め手は、
・声帯をどれくらいリラックスさせているか OR 緊張させているか
・声帯をどれくらい閉めているか
です。
声帯がリラックスしていれば、柔らかく優しい声が出ます。
緊張させていれば、硬く鋭い声が出ます。
また、声帯の閉鎖が強まれば強まるほど、
息の抜けた細い声から張りのある声が出るのです。
椎名林檎さんは、
この声帯の力の入れ加減や閉鎖加減を
自由自在に操って表現力豊な声を出しています。
②息の使い方
息というのは、声帯を振動させるためにとても大切な要素です。
息のスピード=声のスピードというくらい声に影響を与えます。
息にスピード感があると声に勢いが増します。
実践してみましょう!
目の前にろうそくがあるとして、
⑴その火が消えないくらいの息を吐いてみましょう!
⑵その息に声を乗せてみましょう!
なかなか大きな声や張りのある声は出ませんよね?
次に
⑴その火を吹き消すくらいの息を吐いてみましょう!
たくさんあるろうそくを吹き消すイメージです。
⑵その息に声を乗せてみましょう!
前者よりは大きな声が出ましたよね?
このように椎名林檎さんは
息をコントロールしながら声の強弱や声色をコントロールしています。
③音域の広さ
椎名林檎さんの楽曲の中で一番高い音はA6、一番低い音はD3です。
A=ラの音、D=レの音です。
ちょっと分かりにくいなあという方は下の画像をご覧ください。
印のついているところが該当の音です。
約3オクターブ半の音域を駆使しています。
(オクターブとは同じ音から同じ音までの12音ごとのかたまり)
高い声や低い声を出すにも前述した声帯や息の使い方が重要になります。
音域を広げたい方には、椎名林檎さんの楽曲はもってこいですね♪
曲で解く椎名林檎の発声
上で専門的に分析しましたが、実際に曲を例にみてみましょう。
①声帯の器用さ
「ギブス」を参考にしてみましょう。
この曲は、声帯を閉める動きと緩める動きがこまめに出て来ます。
その分、声帯を閉めた時の声と緩めた時の声の聞き比べがしやすいです。
例えば、サビの前の「don’t U θink? i 罠 B wiθ U」の部分を聴いてみましょう。
前半の「don’t U θink? 」は、柔らかく優しい声で
後半の「i 罠 B wiθ U」は、硬く鋭い声に聴こえますよね。
声が柔らかく聞こえる部分は、声帯がリラックスしている状態で、
逆に、鋭く聞こえる部分は、声帯がしっかり閉じている状態です。
②息の使い方
「罪と罰」を参考にしてみましょう。
出だしの「頰を刺す」の「ほ」をよく聴いてみてください。
しっかり息の音が聴こえると思います。
これが息のスピード感の強い声です。
続いて、エンディングの「頰を刺す」の「ほ」と聴き比べてみてください。
オクターブ低い音ですが、前半のような息の鋭さは感じられません。
先程ご紹介した息の実践を参考にして、ぜひ声を出してみてください。
③音域の広さ
ここでは、一番音域の高い曲と低い曲ご紹介します。
一番高い音が出てくるのは、「シドと白昼夢」
一番低い音が出てくるのは、「罪と罰」です。
高音・低音をそれぞれ鍛えたい方にお勧めします。
やはり椎名林檎は凄かった…
椎名林檎さんの声帯や息の使い方などの発声スキルの高さが、多様な表現力や広い音域に通じています。
歌が上手くなる要素が多くあるので、練習曲に最適です♪
発声に耳を澄ませて聴いてみてくださいね。
この記事を書いた人
- 1994年生まれ。長野県出身。
4歳からクラシックバレエを習い、地元のバレエ団での公演では、ソリストも果たす。一度は、バレリーナも夢見たが、音楽好きな家族に囲まれ、幼い頃から音楽に親しんでいたせいか、歌うことの楽しさに目覚め、方向転換する。
小学校高学年で合唱部に入部、クラシックや合唱だけでなく、その後、ロックやR&B、ブルース、ジャズなど幅広い音楽に興味を持つ。
17歳の時にYAMAHAが主催する日本最大規模の音楽コンテストに出場し、セミファイナリストに選出。
学生時代のバンドメンバーとのデビューを夢に見たが、進路の違いにより、頓挫する。上京し、平凡な学生生活の傍ら、積極的に音楽活動を続け、X JAPAN YOSHIKI氏が発足した『Lady’s X』プロジェクトのファイナリスト4名に選出されたり、某老舗ライブハウスレストランにて、ボーカルを4年程務めた。得意分野は、R&B、Disco・Soulなどの洋楽全般。
ボーカリストとしてのキャリアを生かし、現在は都内でボイストレーナーとしても活躍中。