7.312020
最近、洋楽のリクエストが多いです!
「洋楽を歌ってみたい…」
誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
生徒さんに、
「どうしてボイトレに通おうと思ったの?」と聞くと
1/2くらいの割合で
「洋楽にも挑戦してみたいと思ったから。」とか
「一人で洋楽を練習して心が折れそうになったから。」
という答えが返ってきます。
他にも、悩みとしては、
「発音が日本語っぽい」
「あんなにかっこよく発声出来ない」
「フェイクが上手くいかない」
「リズムに乗れていない気がする」
「そもそも歌えているのか分からない」…などなど
聞けば聞くほど出てきます。
最近、特に洋楽への憧れを抱いて
ボイトレに通う事を決心した!
という傾向が強いような気がします。
(…あれ?私だけ?笑)
地声の低い生徒の夏美(仮)さんの悩みとは?
今回は、「洋楽を歌えるようになりたい!」という
強い気持ちで通ってくれている生徒さんのお話です。
ここでは、仮に夏美さんとしましょう。
夏美さんと出会ったのは、暑い夏の日です。
雲一つない、からっと晴れた日。
ショートカットの似合うハキハキと元気そうな方だなあと感じました。
確か黄色い服を着ていて、溌剌とした印象を際立てました。
夏の太陽が似合う
笑顔が爽やかな素敵な女性です。
初めてのレッスンでは、
生徒さんの悩みや目標、好きな音楽など
お話を伺っていきます。
その中で、夏美さんは、
一度喉を潰してしまって、思うように高い声が出なくなってしまった事…
自分の声を届けたい事…
ディズニーソングが好きな事…
とにかく歌うことや音楽が好きな事…
いろんなことを話してくれました。
私自身も
幼い頃、声が高いのが嫌で、
低くするには、声を枯らすのがいいらしいとネットにあり、
実践した結果、声を枯らして声が出なくなったり…
喉の酷使で、ポリープが出来て、一度は歌うことを諦めかけたり…
でも、今となっては、高音こそ夏美さんの強み!
高音に自信を持てるようになれば、世界が変わる!
それを伝えたくて、ボーカルインストラクターをやってるようなものです。
夏美さんのもっともっと歌を上達させたいという強い意欲はとても真っすぐで
話を聞いている私までやる気がいつも以上にメラメラと湧いてくる程でした。
地声の低い人、特有の課題とは?
初めてのレッスンでは、
最初に歌声を聴かせていただいています。
夏美さんが選んだのは、
映画『Beauty and the Beast(邦題:美女と野獣)』から
『Beauty and the Beast』です。
もちろん英詩。
いくつかバージョンがありますが、
セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンのバージョンを歌ってくれました。
夏美さんの歌声は、
芯があり、とても聞きやすいいい声なんです。
低音が程よく効いていて、安定感もあります。
では、夏美さんの主なお悩みを並べてみます。
・高音が出しづらい
・洋楽っぽく発声したい
・発音が心配
※今回記事がとても長くなってしまう為、発音に関しては割愛させていただきます。
高音がか細い裏声になってしまうなんてことありませんか?
これは、地声の低い方あるあるでもあります。
夏美さんもこのパターン。
『Beauty and the Beast』では、
優しく歌い上げている箇所もあれば、
壮大にドラマチックに歌い上げている箇所もあります。
夏美さんは、特にこの壮大にドラマチックに歌い上げている箇所が
どうもうまくいかず、悪戦苦闘していました。
実は、夏美さんは合唱をしていた経験があり、
【高音=ファルセット】という発声の感覚が身についていたんです。
(※ここでは、後頭部に響かせて、声を豊かに鳴らす感じの声楽っぽい声のことを指してます。)
残念ながら、ポップスでは、
地声をもとに発声していくので、真逆の感覚を身に付けることが重要になります。
夏美さんは、素の声で高音を出せていなかったんです。
レッスン受講のコツとは?
人間、今までと違うことをするって結構大変なことですよね…
日々のレッスンでは、発声を矯正・向上させていくことが目的なので、
【挑戦】 → 【成功体験】 → 【意識付け】 → 【無意識への落とし込み】
を繰り返していく事がとても大切です。
これは、私がレッスンの際に、必ず伝えている事です。
【挑戦】と【成功体験】は、レッスンで体感できる事です。
【意識付け】と【無意識への落とし込み】は、練習を重ねて、身に付けるという事です。
レッスンで得たものを反復練習する事が、上達への1番の近道です。
話が少しそれましたが、
夏美さんの歌声は、レッスンを重ねていくと
少しずつ高音に伸びが生まれ、
裏声で弱々しかった箇所にもパワーが感じられるようになっていきました。
夏美さんが劇的に変化したレッスンとは?
さて、夏美さんとのレッスンでどんなことをしていったかというと…
声帯にあてる息の強さを強くしていき、
後頭部に向けて響かせていた声を、
口腔や咽頭腔(喉)など胸に近いところを鳴らすように矯正していきました。
夏美さんが悩んでいた
「高音の出しにくい事」や
「洋楽アーティストのような発声が出来ない事」の原因は、
【高音=ファルセット】という発声の感覚、そのものでした。
※声楽を否定しているわけではありません。
声帯にあてる息の強さを強くしていき、
後頭部に向けて響かせていた声を、
口腔や咽頭腔(喉)など胸に近いところを鳴らすように矯正していきました。
地声と裏声のバランスを調整していったというと分かりやすいかもしれません。
いわゆる「ミックスボイス」を使って、
太さのある高音を操れるようになったわけです。
今までと違うやり方を習得のは、
難しい事ですが、少しずつ感覚を掴み、
自分のものにできれば、
憧れの歌声に一歩、また一歩と近づく事ができるのです。
なんと、今では、ホイットニー・ヒューストンも歌いあげるまでに上達しました!
すごいですよね。
か弱い声で歌っていた人が、ホイットニーまで歌えるようになったんですよ?!
夏美さんは、
「自由に声が操れるようになって、もっと歌う事が好きになった!」
と、いつも言っています。
自分の可能性を広げて
自由に歌を歌えるようになりたいというあなた、
ぜひ一度体験レッスンにお越しください。
夢や目標に向かって一歩踏み出しましょう!
この記事を書いた人
- 1994年生まれ。長野県出身。
4歳からクラシックバレエを習い、地元のバレエ団での公演では、ソリストも果たす。一度は、バレリーナも夢見たが、音楽好きな家族に囲まれ、幼い頃から音楽に親しんでいたせいか、歌うことの楽しさに目覚め、方向転換する。
小学校高学年で合唱部に入部、クラシックや合唱だけでなく、その後、ロックやR&B、ブルース、ジャズなど幅広い音楽に興味を持つ。
17歳の時にYAMAHAが主催する日本最大規模の音楽コンテストに出場し、セミファイナリストに選出。
学生時代のバンドメンバーとのデビューを夢に見たが、進路の違いにより、頓挫する。上京し、平凡な学生生活の傍ら、積極的に音楽活動を続け、X JAPAN YOSHIKI氏が発足した『Lady’s X』プロジェクトのファイナリスト4名に選出されたり、某老舗ライブハウスレストランにて、ボーカルを4年程務めた。得意分野は、R&B、Disco・Soulなどの洋楽全般。
ボーカリストとしてのキャリアを生かし、現在は都内でボイストレーナーとしても活躍中。