ボカロ曲はなぜ歌うのが難しいのか|高音・早口・ブレスに効くボイトレの考え方 | 渋谷のボイストレーニング

TOP > ボイストレーニング研究所 > ボイストレーニング > ボカロ曲はなぜ歌うのが難しいのか|高音・早口・ブレスに効くボイトレの考え方

ボカロ曲はなぜ歌うのが難しいのか|高音・早口・ブレスに効くボイトレの考え方

夜の自室デスクに置かれたコンデンサーマイクとヘッドホン。モニターには打ち込み音楽を思わせる光るノートの画面

「原曲キーで歌おうとすると、サビで声が届かない」「音域が広すぎて、どこかで裏返ってしまう」「歌詞が詰め込まれていて、早口についていけない」——ボカロ曲を歌おうとして、そんな壁にぶつかったことはありませんか。 

ボカロ曲は、もともと人間が生で歌うことを前提に作られていない曲が多くあります。音域の広さ、テンポの速さ、ブレスを取る隙間の少なさ——打ち込みだからこそ実現できる曲の構造が、そのまま「歌う難易度の高さ」につながっているのです。 

私たちLavocのボーカル講師のもとにも、「好きなボカロ曲を原曲キーで歌えるようになりたい」「高音が出ないのでキーを下げて歌っているけど、それでも苦しい」「早口のパートで舌が回らず、歌詞がつぶれてしまう」というご相談がよく届きます。 

この記事では、ボカロ曲がなぜ歌いにくいのか、その構造的な理由と、発声の面からどう向き合っていけるのかをお伝えします。

ボカロ曲はなぜ歌うのが難しいのか

まず、ボカロ曲特有の「歌いにくさ」がどこから来ているのかを整理してみます。 

ボーカロイドは人間の声帯や肺活量の制約を受けません。息継ぎをしなくても、どれだけ高い音でも、どれだけ速いテンポでも、データ上は問題なく歌わせることができます。作り手が「歌いやすさ」より「表現したいメロディやリズム」を優先できる分、人間が実際に歌うと途端に難易度が跳ね上がる曲が生まれやすくなります。 

具体的には、次のような特徴が重なっていることが多いです。 

音域の広さ:1曲のなかで低音から高音までの幅が広く、地声だけでは届かない音域まで使われていることがあります。テンポの速さと詰め込み:1小節に収まる歌詞の量が多く、早口で言葉を処理する必要があります。ブレスポイントの少なさ:フレーズとフレーズの間に、人間が息を吸うための「隙間」が十分に用意されていないことがあります。 

これらはどれも、人間の身体をそのまま前提にした曲ではあまり見られない特徴です。「自分の歌唱力が足りないから歌えない」と感じてしまう方も多いのですが、まず知っておいていただきたいのは、曲の構造そのものに難易度の高さがあるということです。そのうえで、発声を整えることで対応できる幅は確かに広がります。

「原曲キーで歌えない」「高音が出ない」のはなぜか

ボカロ曲でいちばん多いご相談が、この高音の悩みです。 

原曲キーで歌おうとして声が裏返る、届かない、喉が締まって苦しい——こうした状態の多くは、地声のまま音域を無理に押し広げようとしていることが原因です。地声には出しやすい音域の上限があり、そこを力任せに超えようとすると、喉に余計な力が入り、声帯に負担がかかります。 

ここで役立つのが、地声と裏声を滑らかにつなぐミックスボイスという発声の考え方です。地声の芯を残しながら、高音域では声帯の使い方を少しずつ切り替えていくことで、力任せに張り上げなくても届く音域が広がっていきます。 

※ミックスボイスとは、地声と裏声の中間的な発声のことです。両方の響きを混ぜ合わせることで、地声の芯を保ったまま高音域を出しやすくなります。

もうひとつ大切なのが、腹式呼吸で息をしっかり支えることです。喉だけで高い音を出そうとすると力みが生まれますが、体幹で息を支えながら声を出すと、喉への負担が減り、同じ高さの音でも出しやすさが変わってきます。「高音が出ない」という悩みは、喉そのものの問題というより、息の支え方と声の切り替え方の課題であることが少なくありません。 

※腹式呼吸とは、横隔膜を使ってお腹を膨らませるように息を吸う呼吸法のことです。胸だけで呼吸する胸式呼吸より、声に安定した息を供給しやすいとされています。

気になる方は、まず一度、無理なく出せる音域がどこまでかを体験レッスンで確認してみませんか。声を実際に聴かせていただくことで、今の課題がどこにあるかが見えてきます(60分無料体験のお申し込みはこちら)。

早口のフレーズに舌が回らないときに見直したいこと

もうひとつ多いお悩みが、早口についていけないというものです。「歌詞が詰め込まれていて、口が回らない」「歌っているうちに言葉がつぶれてしまう」——これも、ボカロ曲ならではの難しさです。 

早口のフレーズというと、舌の器用さや滑舌の練習をイメージされる方が多いのですが、実際には呼吸のコントロールと母音の処理が大きく関わっています。息の流れが安定していないと、速いテンポに声がついていけず、子音と母音の切り替えが雑になりやすいのです。 

Lavocのレッスンでは、フレーズを一度分解して、どの子音でつまずいているか、どこで息の流れが途切れているかを確認しながら練習します。ゆっくりのテンポで正確に発音できるようになってから、少しずつ元のテンポに近づけていく——遠回りに見えて、これがいちばん確実な近道になることが多いです。

ブレスポイントが少ない曲で息切れしないための息の使い方

ボカロ曲は、フレーズとフレーズの間の「隙間」が少ない曲が多く、どこで息を吸えばいいのか分からなくなってしまうこともあります。息が足りなくなって声がかすれる、次のフレーズの頭で音程が不安定になる——こうした症状は、ブレスの設計が追いついていないサインです。 

歌ってみたに向けたボイトレの記事でも触れましたが、ブレスはあらかじめ「どこで、どのくらい吸うか」を設計しておくことで、余裕を持って歌えるようになります。ボカロ曲のようにブレスポイントが少ない曲では、この設計がより重要になります。フレーズの中のわずかな隙間で素早く浅く吸う、いわば「瞬間ブレス」の感覚も、練習によって少しずつ身についていきます。 

体幹でしっかり息を支えられていると、少ない息でも安定した声を保ちやすくなります。逆に喉だけで頑張っていると、息の消費が早くなり、フレーズの後半で声が細くなってしまいます。ブレスの設計と体幹の支え、この両方を整えていくことが、詰め込み型の曲を歌いこなす土台になります。

ボカロ曲を歌うためのボイトレで、何が変わるのか

ここまでお伝えしてきた高音・早口・ブレスの悩みは、それぞれ独立しているようで、実は発声の土台という一つの根っこでつながっています。地声と裏声の切り替え、腹式呼吸による息の支え、力みのない発声——これらが整っていくと、原曲キーへの挑戦のしやすさも、早口のフレーズへの対応力も、少しずつ変わっていきます。 

もちろん、すべてのボカロ曲が原曲キーで歌えるようになるとお約束することはできません。曲によって難易度は違いますし、育てていくのに時間がかかる部分もあります。ただ、「今の自分の声で、どこまで近づけるか」を一緒に確認しながら進めていくことはできます。 

歌ってみた動画として録音・投稿したい方には歌ってみた向けボイトレの記事を、配信や宅録での声の悩みがある方には配信・宅録前のボイトレの記事もあわせてご覧ください。ボカロ曲を歌う方の多くは、歌ってみたの投稿や配信も視野に入れていることが多く、発声の土台はそのままつながっています。 

好きな曲を、自分の声で気持ちよく歌えるようになりたい——その一歩を、Lavocの現役プロ講師と一緒に踏み出してみませんか。

好きなボカロ曲を、もっと自分の声で歌いたい方へ。

高音の出し方、早口フレーズへの対応、ブレスの設計——独学では気づきにくいポイントを、渋谷Lavocの現役プロ講師が60分の無料体験でその場で確認します。

60分の無料体験レッスンを予約する

入会キャンペーン実施中|入会金14,800円が0円+初月レッスン3,000円OFF・LINEで無料体験レッスン受付中

この記事を書いた人

yabuneazusa
ページ上部へ戻る
無料体験レッスン無料体験レッスン