8.212026

「一人で歌っているときは普通に歌えるのに、人前に立つと声が震えてしまう」「カラオケなら歌えるのに、ステージに立った途端、いつもの声が出なくなる」「緊張して喉に力が入ってしまう」——そんな経験はありませんか。
人前で歌うと緊張するのは、決して珍しいことではありません。そして、単純に「気持ちが弱いから」「歌に自信がないから」という話でもありません。緊張に伴う身体の反応、これまで人前で歌ってきた経験、心理的な要因など、さまざまなものが関係しています。
では、なぜ人前に立つと、普段とは違う声になってしまうのでしょうか。
緊張すると、呼吸の状態が変わることがある
人前に立ったとき、まず変化が起こりやすいもののひとつが「呼吸」です。緊張すると呼吸のリズムが乱れたり、浅く速い呼吸になったりします(現れ方には個人差があります)。
歌声は肺から送り出される息によって生まれるため、歌うときには安定した呼吸のコントロールが欠かせません。ところが緊張で普段と呼吸の状態が変わると、いつも練習しているときと同じように声をコントロールすることが難しくなります。
また、緊張すると喉や首まわりに余計な力みが生じ、普段とは違う発声になってしまうこともあります。こうした呼吸の変化や喉まわりの力みが、声の震えや上ずりにつながっていきます。
つまり、人前で思うような声が出なくなるのは、性格の弱さや才能の有無だけで決まるものではありません。緊張に伴う身体反応や、これまで人前で歌った経験など、さまざまな要因が関係しているのです。
腹式呼吸は「お腹だけで呼吸する」という意味ではない
ボイストレーニングでは、よく「腹式呼吸」という言葉を使います。腹式呼吸とは、息を吸ったときに横隔膜が下がることで、腹部が自然に膨らむように感じられる呼吸の仕方です。
ただ、実際の歌唱では「胸式か腹式か」という単純な二択ではなく、胸郭と腹部を協調させながら呼吸をコントロールしていきます。大切なのは「とにかくお腹を膨らませること」ではなく、歌っている最中に必要な息を安定して使える状態をつくっていくことです。
Lavocのレッスンでも、単に「腹式呼吸をしてください」とお伝えするのではありません。実際の歌声や呼吸の様子を確認しながら、発声時に余計な力みが出ていないか、呼吸が安定しているかを、講師と一緒に確かめていきます。
話す声と歌う声では、求められるコントロールが違う
普段、人と話すときには問題なく声が出ている。それなのに、歌おうとすると急に声が出にくくなる。そんな方もいらっしゃいます。
話すことと歌うことは、呼吸・発声・共鳴・構音など、基本的には同じ身体の仕組みを使っています。ただし歌では、音程やリズム、音の長さ、声量、響きなどを音楽に合わせてコントロールする必要があります。同じ仕組みを使いながら、求められるコントロールが異なるのです。
Lavocでは、歌のなかで子音から母音へどうつなげ、母音をどう響かせるかという点も重視しています。詳しくは「『歌う』ボイトレと、『話す』ボイトレの違いとは?」でも解説しています。
話すことの延長線上に「歌う」という行為はありますが、歌には歌ならではの身体の使い方があります。だからこそ、普段は問題なく話せる人でも、歌うための発声を練習する意味があるのです。
今の緊張の状態を確かめてみたい方は、まずは60分の無料体験レッスンで、実際に声を聴かせていただくところから始めてみませんか。呼吸の浅さや喉の力みは、講師が声を聴けばその場で見えてくることが多くあります。
Mai先生も、最初から人前で平気だったわけではない
LavocのMai先生も、最初から人前で歌うことが得意だったわけではありません。15歳のとき、ピアノの発表会で初めて人前で歌い、初めての弾き語りにとても緊張したと振り返っています。
また、ライブでのMCが苦手だったことから、人前で話すことに慣れるために配信を始めました。その経験を重ねるなかで、以前よりスムーズに話せるようになったと本人が語っています。
Mai先生の場合は、人前で声を出したり話したりする経験を重ねたことが、ひとつの変化につながりました。「緊張しない人だから、人前で歌える」のではありません。緊張しながらでも経験を積み重ねることで、少しずつ変わっていくことはできるのです。

一人で歌う練習だけでは身につきにくい「人前で歌う経験」
発声そのものを整える練習と、人前で実際に歌う経験には、それぞれ違った意味があります。防音ブースで一人黙々と練習することに慣れていても、人の前に立った瞬間、同じようには声が出ない——ということは珍しくありません。
だからLavocでは、両方の環境を用意しています。レッスン日以外にも自由に使える自主練習専用の防音ブースがあり、生徒さんに無料で開放しています。まずはここで、周りを気にせず、一人で声を出す練習を重ねることができます。
そして、その先にある「人前で歌う経験」の場として用意しているのが、発表会「<本気>ライブ」です。
ライブハウスで「本気」で歌う
<本気>ライブは、2004年4月4日に第1回を開催し、2026年春の開催で第45回を迎えました。会場は、カラオケボックスでも教室の一室でもありません。本物のライブハウスです。しかも、プロミュージシャンによるフルバンドの生演奏。
感動の<本気>ライブの創り方のページでは、この体験を「プロのミュージシャンとしての疑似体験ができる」と表現しています。プロの照明スタッフが操る、観客席が見えなくなるほどのスポットライト。プロの音響スタッフが調整する、自分の声の反響や音量。そして目の前には、自分の歌を聴いているお客さんがいる。普段のカラオケとはまったく違う環境です。
だからこそ、緊張すると思います。でも、その「緊張した状態で歌ってみる」という経験そのものに意味があると、Lavocでは考えています。
「人前で歌う楽しさを知った」という生徒さんも
<本気>ライブを経験したことをきっかけに、変化を感じた生徒さんもいます。Lavoc公式サイトでは、吉澤希さんの体験が「人前で歌う楽しさを知った」、下井大平さんの体験が「思い切ったことが人生の大きな収穫に」というタイトルで紹介されています。
最初から人前で堂々と歌える必要はありません。最初は声が震えてもいい。思ったように歌えなくてもいい。一度ステージに立ってみる。そして、また立ってみる。そうやって少しずつ経験を積み重ねていくことが大切です。
緊張を「ゼロ」にすることだけを目指さなくていい
「どうすれば緊張しなくなりますか?」と聞かれることがあります。でもLavocでは、緊張を完全になくすことだけを目指す必要はないと考えています。大切なのは、緊張した状態でも、自分の声で歌える経験を少しずつ重ねていくことです。
人前に立てば緊張する。それでも呼吸を整えて、最初の一声を出してみる。歌い始めたら、少しずつ自分の世界に入っていく。そして一曲を歌い終える。その経験が一つ、また一つと積み重なっていきます。
一人で声を出す練習。講師と一緒に発声を整えるレッスン。そして、人前で実際に歌ってみる経験。そのすべてを少しずつ積み重ねていくことで、「人前で歌う」ということとの向き合い方も変わっていきます。
「歌うことは好き。でも、人前で歌うのは怖い」——そんな方こそ、最初から完璧に歌おうとしなくて大丈夫です。まずは無理のないところから始めてみませんか。好きな曲を、緊張と付き合いながら人前で歌えるようになりたい。その一歩を、Lavocの現役プロ講師と一緒に踏み出してみませんか。







